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お知らせ

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11.03.312011:03:31:11:09:48

理事長挨拶


 今年は桜の開花が6日ほど遅れていると本日知りました。
先日新聞を見ておりましたら大正期の詩人山村暮鳥に『桜』と題する詩があると、そして花にも人を悼む心があるのか今年のサクラの開花は遅めだと書いてありました。
 この度の東日本大震災はで連盟の理事・学生その他の方々の中にも身内の方々が被災されたという話しもあるのではと危惧しております。お見舞い申し上げ,一日も早い復興をお祈りする次第です。ただ、今回の惨事を通しいずれも報道などで目にしたことですが、私たちはいくつかのことを学んだのではないかと思っております。
 ①想定外という自然の力。
どんな津波が来ても絶対大丈夫のはずの堤防という神話はもろくも崩れ去りました。自然はいとも簡単に我々人間が勝手にこれなら大丈夫と思っていた驕りを覆してみせました。人間は都合のよい想定外という言葉で片付けてきましたが、自然には通用しなかったと思いますこの言葉。そして自然を再評価すべきと思いました,自然を畏怖し尊敬すべきと。開発という名の環境破壊などもっての他なのではないでしょうか?自然はきっと今後も大きな仕返しをしてくるでしょう,想定外の力で。
 ②人の優しさ。
今回の被災地の皆さん方はもとより帰宅困難の方々への道筋にお住まいの人たちなどの親切心、諸外国の方々からのものも含めた励ましの言葉と援助の数々。それらを耳にする度に,『他人の優しさを知ることで更に他人の苦痛を知り、より小さな自分の苦痛に耐え、本当に援助を必要としている人を困らせるようなことをしないようにし、せめてほんの少しだけでも他人に優しくなり,自分の痛みに強くならねばならない』と書かれた文章を思い出し,その通りだと納得します。
 ③評論家にならない。
原発への対応についての、東電・政府その他の機関への批判。確かに問題点はたくさんあると思います、致命的なことも。しかし、TVやラジオのこちら側で必要以上に大騒ぎしたりするのはおかしい。それぞれの現場で関係の方々は必死に作業をしている、それは紛れもない事実です。計画停電の元でもそこそこ恵まれた環境にいる我々が何を言える?
 ④報道の姿勢。
毎日毎日同じようなニュースを垂れ流しているように思います、どの局も。
避難所で暮らす人は今でも20万人以上とのこと,今でこそそれぞれが連絡を取れているでしょうが震災直後は被災された方々の安否を知るのに皆四苦八苦していたと思います。同じ映像を繰り返し流すくらいなら避難所にいる方を次々に映像で出してあげるなどあってもよかったかと思います...。
言い出したらキリがありません。
 文頭の山村暮鳥の『桜』に関しての記事ですが、詩自体は
≪さくらだといふ/春だといふ/一 寸,お待ち/どこかに/泣 いている人もあらうに≫
というものです。
山村は伝道師として東北地方の町々を転任した経歴があるそうで,花に浮かれる心をたしなめて「泣いている人」を思いやるべきと詠っているようです。悲しいほど今このときのために作ったような詩ですね。でも、この詩を受け,『生き残ったものの誰かしらが、生かされてあるものの誰かが,世の中の歯車をうごかしていかなければならない。音は小さくとも,季節の催事も"ガッタン"と刻む歯車の一つだろう。この春、多くの人が愛でるのは花ではなく,酒でもご馳走でもなく,生きてある身のありがたさに違いない。宴の筵(むしろ)でそういう供養もある。』 と結んでありました。
そろそろ私たちも動き出しましょう。
 私の大学の2年後輩の鈴木孝寿君(58歳),石巻の町立病院で被災し,津波予報を聞き屋上で患者を誘導中に波にさらわれ12日に死亡を確認されました。彼は仙台一高からラグビーをしていて大学でも一年からno.8でその力を存分に発揮し私とそして私の仲間たちと一緒にもう30数年前にこの医歯薬の舞台でともに戦いました。この場を借りて彼のご冥福を祈ります。
 最後にやっと明るいお知らせです。慈恵の伊藤君が今回国家試験に合格しました。そして、私の医歯薬理事長の職も今年度で終了です。この7年間皆様のお陰で何とかやってくることが出来ました。心から感謝申し上げます。遣り残したことはまだまだあります、今後は新理事長の下で私が成し遂げられなかった多くの問題点を解決させて頂き、医歯薬が更に発展していくことを願いつつ筆を擱きます。
 ただ,7年間省みて、結局地位は人を作らなかった...。と感じている今日この頃です。

平成23年3月29日
関東医歯薬大学ラグビー連盟理事長
石井良幸

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